二月はみじかい

二月はみじかい。今月に入ってやろうとしていたことを、ほとんど何もできていないまま、あれ、もう二十日めかぁ……と可視化して思ったりする。頭のなかに詰まった、言葉になるまえの思念が、外にでたがっていて、でもそれを誰かれかまわず、伝えてしまっていいものなのか、よくわからなくなってくる。そんな状態のとき、わたしは大好きである大島弓子の『ロングロングケーキ』の宇さんのことを思いだす。宇宙人だから宇さん。主人公は同人誌に小説を発表しているのだが、宇さんは主人公が潜在的にもってる作品を探りあて、それをPCにタイプしてくれるのだ。ああ、宇さんが居てくれたらいいのにな、とこれまでなんど思ってきたことか。

ね まれに人間は自分で自分の書くものにびっくりすることってあるでしょう あなたには何億という小説があなた自身にも気づかれることなく頭の中にうずもれているんですよ」

大島弓子『ロングロングケーキ』(白泉社文庫)

だから昨夜は、二時間くらいかけて、誰にも見せない手書きの日記を書いた。自分がいま思っていることを分析するでもなく、ただ書いていたら感情が大爆発して、気づけば六頁も書いていた。外がわからの強制力となる、〆切がないと動けない、ということはおおいにある。

写真はたしか、先週に行ったいつもの公園で撮った梅。外はまだ思ったよりも寒くて、はやばやと退散した。このとき、あーちゃんはいちどだけ、すべり台をすべったのだが、勢いよくすべりすぎて尻もちをつき、泣いた。それから数日間、このときのことを、まえへ飛んでいく身ぶりをつけて、「ぴゅーって、いってまったの」と語りつづけていたのが、面白かった。

ときおり、娘を孫目線でみている夫(四十代後半)。先日、自分のまわりをくるくると走りつづける娘を見ながら、「あーちゃんの娘はあーちゃんにそっくりやなぁ」と、言っていた。なんか倒錯してる。

ナゴヤドームであった星野源のライブへ行った。最高だった。完全に、ドームという場所にひるんでいたのだが、席がなんと花道のまんまえ……。友だちから「アリーナ席だよ」と言われていたのに、その意味もよくわかってなかったわたしは、まずそれに感動して足を震わせながら泣く。源さんは本当に存在していたどころか、めっちゃちかくで見ることができたのだった。この席を当ててくれた友だちに、感謝してもしきれない。かっこよかったな。何十年ぶりかに、きゃーって言った。歌って踊った。源さんのライブには、はじめて行ったのだが、いつもこんなに楽しいのだろうか。良席だから、というのもあるけれど、ドームという広さをかんじさせない演出で、アットホームな雰囲気だった。よ、四万人が、居たらしい。今日も気がつけば、頭のなかで源さんの曲が流れていて、台所で歌って踊っていたら、あーちゃんから異質なものを見る目で見られていた。

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