十二月三十日(月)

二十時半だが、夫はもう寝息をたてている。べつに早寝しなくても、さいきん五時台に目が覚めてしまうので、わたしもねむい。けれど、日記を書きたい気持ちがわいてきて、すこし書いてみる。

台所じゅうから、だしと醤油の匂いがする。夫がたこ焼きを焼いたからだ。久しぶりに食べたが、美味しかった。これまでは、興味をしめしても、あまり食べられなかった娘だが、今日はばくばく食べていた。七個も。昨年は大晦日にたこパをしていた。

玄関でクリスマスツリーの灯りが点滅している。たぶん明日になっても、片づけないだろう。

いまは、仕事をはじめてから初の、冬休みである。今年はパートタイムで仕事をはじめたことが、自分にとって大きな出来事だったが(それにより、日中ワンオペ育児がおわったので)、来年の二月に勤務先が閉店することになったため、また次の仕事が見つかるまでは、無職になる。

おどろいたけれど、店をつづけることへの違和感を見過ごさない、店主のいさぎよさというか、軽やかさといえるものに、わたしはただ凄いなぁと思っていて、あまり不安とか焦りはない。職をえて、約半年という期間のみじかさもあるのか、不器用なわたしはここで、とくだん接客やラッピングをすることなどが、うまくなったわけでもなくて、でも心のどこかで、やはり自分は自分のままでしか居られなかったことに、ほっとしているような案配も、すこしながらあるのだった。

今年は本をぜんぜん読めなかった。体力を温存するために、自然に夜は寝てしまう、そんな年だった。そのなかでも、好きな一冊といえるのはやはり、ルシア・ベルリン『掃除婦のための手引書』(岸本佐知子訳、講談社)だろうか。短篇集なのだが、見開き二頁しかない「マカダム」を、なぜか声にだして読みたくなって、家にひとりで居るとき、たびたび朗読していた。

来年一月二十五日から三月七日まで、東京で開催されるイベント「日記を書く読む。魅力にせまるブックフェア」https://liondo.jp/?p=2297 に参加するため、つくっている日記本が、完成まぢかである。

個人のラジオでも、「日記のzineをつくっているが、ぜんぜん進まない」という話をしていたけれど、じつはそのあと地元であったイベントで、来春には日記の専門店を開かれる、ブックコーディネーターの内沼晋太郎さんと会える機会があって、「ぜんぜん出来あがらないんですよね〜。来年中に完成できたらいいなと思っていて……」と話しかけた際、イベントのことをすこしだけ、教えてもらえたのだった。

それがきっかけになり、スケジュール的にぎりぎりで、大丈夫なのだろうかと思いながらも、このブログに書いた日記をちょうど一年ぶん、まとめた本をつくりはじめた。つくってみて、進んでいないというか、ただ膨大なコピペをまえに、何もしていなかった自分に気づいたのだが。本というかたちを意識したときの、ほぼ独断で、十五万字あった原稿は、約十万字まで、削られた。

内沼さんと話せた高揚感もあって、燃えあがっていた気持ちは、インフルエンザで家族が全滅していちど鎮火したものの、過去の日記を読み返してみると、やはり本というかたちにしたい、という気持ちがわいてきて、参加することを決めたのだ。

あとがきをいま書いているのだが、デザイン担当の夫から、「そこは年明けでも、いいんじゃない?」と今日言われて、余裕をすこし、感じている。この本は夫とつくっているという感じが、とてもする。一昨日も、ふたつあった表紙案から、ひとつを選択したのだが、自分だけでつくっているという感覚だったら、いまの時点でこの選択はできなかったのではないか、と思ったからだ。わたしは当初から頭のなかにあったイメージを、そのまま具現化することに、固執するところがあったので。来年は夫との活動も増えそうで楽しみだ。また告知もしますね!

年末だけれど、この調子なので、年末らしいことは何もしていない。