午前三時の日記(3)

 

 

 

7月13日(土)

制服のサイズ合わせをするため幼稚園へ行く。娘は来月三歳になるのだが、その翌月から、いま通っている保育園の系列である幼稚園へ転園するのだ。先月、みょうにセンチメンタルになっていたのはこれが原因。現在の保育園になにも不満はなく、先生たちには感謝しかないのに、系列の園へ通うことを希望すると、なんと三ヶ月しか通うことができないのだ。転園は来年度からにできないのか、もちろん直談判してみたけれど、幼稚園からは認められなかった。

といっても、もう考えても仕方のないことだと、さすがに思っている。夫ともよく話し合った。今日はむしろ晴れやかな気持ちだった。通える範囲の保育園をすべて見学したうえでの(そこでいちいち衝撃の対応や、不信感をいだく場面に遭遇してしまったのは、いまとなっては運がわるかったのかも…とも思う。それか、わたしが敏感すぎるか)、選択なのだから。

サイズ選びはよくわからないまま終わった。あーちゃんはやはり人見知りをして、室内でなぜかハイハイしまくっていた。園庭で遊んでいくことを薦められるが、病み上がりのため退散する。

誰かと何かがしたいという気持ちがずっとある。それが何なのかは、曖昧なこともおおく、夫と話しているうちにはっきりすることがある。今日は「わたしは何かメディアが作りたいのかも」という話をした。

しいたけ占いに夫婦ともに夢中だ。新刊の発売記念として、公式ブログで更新されていた各星座の記事がすごいと夫に薦めていたのだが、彼はこの頃「○○座のひとは」と書かれた箇所を、「あなたは」と置きかえて読むと言っていた。たしかにそうだなと思う。○○座だから何々、という言説だけに依拠させないところが、しいたけ占いにはあるように思えるし、わたしはそこが好きなのだった。

 

7月14日(日)

あーちゃんの体調がまだ完全ではない。今日は地元でいちばん大きな書店で、取り置き中の文藝などを爆買いするぞ〜と思っていたのだけれど、万全を期して延期。仕方なし。その書店はショッピングモール内にあり、あーちゃんには「ミスドでドーナツ食べよう」と言っていたので、当たり前のように「ドーナツは!?」となった(その気持ちはよくわかる。午前中ずっと、爆買いしたかったなぁ…と思いつづけて、気持ちの切り替えができなかったから)。コンビニでドーナツを探しもとめる。原材料やカロリーを見ては「うへぇ」となりつつ、これやったらいいかな…というのを購入。

外は涼しい。午後からは蝉の声が聞こえてきた。おかずのストック用にほうれん草のおひたし、鶏つくねの照り焼きを作る。このごろ刺激物の摂りすぎで、胃がもやもやしていたから、夜は煮込みうどん。さすがに汗をかく。

鼻吸いしすぎて、両腕や胸のあたりが筋肉痛である。

Twitterで知り合ったMさんから、明日が最終日のTABFに行くので、何か欲しい本があったら買ってきますよ、というメールが届いてびっくりする。お言葉に甘えてお願いしてしまった。うれしい。

ネットで声をかけてもらったことがきっかけで、親しくさせていただいているnさん(わたしはnさんに見つけてもらえたことを、奇跡のように思っている)にも、TABFで植本一子さんの新作zineを買ってきてもらっており、今日送ったという連絡をいただいていた。うれしい。自分は何たる幸せものかと思い、とてもとても、ありがたい気持ちになる。

夜、『マミトの天使』を読みおわる。この衝撃について誰かと話がしたい。次は机のうえに置きっぱなしだった、リルケ『マルテの手記』を手に取り、単に偶然だけれど、タイトルが何か似ていて駄洒落みたい…と思いながら、読みはじめる。これは友人が、あるリトルプレスのなかで紹介していたから、買った本。

 

7月15日(月)

朝、出勤前に夫から「荷物、届いてたよ」と手渡されたのは、なんとnさんが届けてくれた、植本さんのzineだった。速い!

幼い頃に大好きだった、なつかしのピアスシールをたくさんと、わたしをイメージした配色のポストカード(いま机のうえに飾ってあるのだが、とても好きな配色なのだ)も送ってくださり、胸がいっぱいになる。めちゃくちゃうれしい。仕事の休憩時間に読もうと、zineを鞄に入れようとして、我慢できずに捲るとなんと、わたし宛に植本さんのサインが…!うれしくて泣いた。

あーちゃんは弁当持参でわたしの実家へ。遊びに来ていた従姉妹たちに、いっぱい遊んでもらったようだ。

 

7月16日(火)

曇天。だが、こんな天気にも慣れてきた。午前中、この前行けなかった大型書店のあるショッピングモールへ行く。「文藝」、「文學界」と川上未映子『夏物語』をやっと買う(爆買いと意気込んでいたほどではなかった)。夏物語は購入後にサイン本を見つけて、交換をお願いしてしまったのだが、「こちらのほうがいいですよね〜」と快く応じてもらえた。

めちゃくちゃ久しぶりにドトールで、ミラノサンドBを食べながら、植本さんのzineを読む。今日は午後から、書類などの確認をするため、転園先の幼稚園へ行く用事があったのだが、植本さんが、お子さんの学校である懇親会に行きたくないということを書かれていて、共感というか、わたしもきっとそう思うようになるんだろうなぁと思った。

そんなことを思っていたからか、先日の晴れやかな気持ちからは一転して、幼稚園からの帰り道は疲れていた。制服や教材等の金額がはっきりして、ちょっと憂鬱な気持ちになったのもある。制服のサイズ合わせで決めたことが、今日話をした先生に通じていないことが多く、電話で確認を何回もとっていたのにも、すこし不安になった。いま通っている保育園は、主任の先生がとても丁寧で、そのほうが特別なのだという気持ちになる。比べても仕様がない。姉妹園だからといっても、そこは別ものなのだ。教育理念とかはただの建前で、けっきょく人によって左右されてしまう。

リビングでごろごろしながら、植本さんのzine読みおえる。面白かった…!

 

7月17日(水)

誕生日プレゼントとして、夫にリクエストしていた本が二冊届いていた。ルシア・ベルリン『掃除婦のための手引書』と、ハン・ガンの『回復する人間』。うっとりする並びである。

 

7月18日(木)

勤務を終えると、雨が滝のように降っていた。止む気配もない。駐車場までの道のりが、すでに軽く冠水していた。びしょ濡れで車に辿りつき、思わず夫に「わたしこれから本当に、迎えにいかなあかんのだろうか」と電話する。車への乗せかたなど、アドバイスをもらい、すこし冷静になる。ワイパー全開で、恐る恐る出発したが、到着前にはもう雨の凄さに慣れていた。あーちゃんを乗せて走りだすと、大雨に興奮して爆笑していた。

 

7月19日(金)

あまりにもひどい事件にショックを受けて、心は傷ついていた。それでも笑って、いつもと変わらず、わたしは人前に立つのだろうか。きっとそうするのだろう。そんなことを中学生のころにも、よく考えていたなと思いだす。笑いたくないのに、笑わなければいけないと思ってしまうことの、違和感について。

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